RSE Laboratoire

品質項目について

真珠層断面構造

レンガ塀
レンガ塀

真珠層の断面構造は真珠を切断し、電子顕微鏡(SEM)で数千倍の高倍率に拡大してはじめてに見えてくるミクロの世界ですが、真珠特有の色や光沢を説明するには真珠の断面構造の説明が必要となります。
二枚貝の真珠層の断面を電子顕微鏡で数千倍に拡大すると、炭酸カルシウムのアラゴナイト型結晶板と蛋白質シート(コンキオリン)が交互に数千枚積層したレンガ塀のような真珠層構造を見ることができます。
この真珠層構造は「薄膜多層構造」とも呼ばれ、真珠の美しい色や輝きを作り出しています。(真珠層構造の図

真珠の色は実体色、干渉色、下地色のメカニズムの異なる3つ色が組合わさって決定され、人間の目に飛び込んできます。

真珠の色のメカニズム図
真珠の色のメカニズム図

真珠の3つの色

① 実体色

地色とも呼ばれる真珠の主要な色。実体色は炭酸カルシウムの板状結晶どうしを接着する役目を果たしているコンキオリンというタンパク質中にごく微量含まれる色素によるものです。コンキオリンの層が数千枚重なって、はじめてインパクトのある色として出現します。
アコヤガイやシロチョウガイの黄色、クロチョウガイの緑色や黒色は実体色です。

真珠の実体色と干渉色
真珠の実体色と干渉色

白色系真珠の干渉色は珠の中心部、実体色は周縁部に出現する

② 干渉色

真珠層構造由来の色です。

あこや真珠の干渉色 ピンクとグリーン
あこや真珠の干渉色 ピンクとグリーン

真珠に光が当たると、一部の光は表面で反射されます。しかし、真珠層は半透明なため、光は表層部まで入り込み、回折と干渉という光学現象が生じます。その結果、地色の上に虹色の干渉色が現れます。ただし、全ての真珠に干渉色が現れるわけではありません。真珠層の厚さや積層状態が整っている真珠にのみ美しい干渉色が出現します。したがって、干渉色が強く出ていることは真珠層構造が規則正しく整っている証拠と言えます。

真珠の構造から生まれる干渉色
真珠の構造から生まれる干渉色

薄膜多層構造による干渉色模式図

③ 下地色

養殖真珠の断面を見ると核の周りに真珠層が巻かれているのが分かります。
核の上に真珠層以外の有機物豊富な層が形成されることがあります。この黒褐色の層は介在異質層とも呼ばれ、半透明な真珠層を透かして真珠がブルーもしくはグレーに見えます。介在異質層が核の周りにほぼ均一に形成されると、美しい“ナチュラルブルー”となりますが、不均一に分布した場合には、部分的に黒っぽい“しみ珠”となり、美しさに劣ります。(介在異質層を含む真珠の断面構造の図

介在異質層

介在異質層は、穴口からも真珠層と核の境界部に観察することが出来ます。

有核淡水真珠のレントゲンによる巻き厚測定

真珠の形は様々です。
一般にはラウンド(真円)、セミラウンド、セミバロック、バロックの4つに分類されます。
ラウンド以外のオーバルやドロップなどの対称性のある形状の真珠はセミバロックに分類され、対称性のない不定形の場合あるいは目立つ突起を有するものはバロックと記されます。
ケシとは、海水産養殖真珠を浜揚げする際、副産物として採取される無核真珠のことです。
また、不定形の小さい無核真珠は、その形状から伝統的に「ケシ」と呼ばれています。

巻き

現在流通している真珠のほとんどが養殖真珠です。養殖真珠の多くには丸い真珠を作るべく、核という淡水産貝殻の球形ビーズを挿入します。母貝に核と真珠層を分泌する外套膜細胞を挿入する作業を挿核手術といいます。移植 された外套膜細胞はやがて核の周りに真珠袋という組織に形成します。真珠袋は核の上に真珠層を分泌し、やがて有核養殖真珠が形成されます。
巻き厚とは核の上に形成された真珠層の厚みを指します。真珠の穴口から内部を覗き込むと、巻きが厚いか薄いかは確認できますが、厳密な巻き厚は軟Ⅹ線レントゲン検査にて真珠の内部を透視して計測されます。薄巻きの真珠は美しさも耐久性も劣るため、お薦めできません。

有核淡水真珠のレントゲンによる巻き厚測定
有核淡水真珠のレントゲンによる巻き厚測定